研究会・講演会備忘録−印象に残ったひとこと−
No.1日本のエネルギー政策とその問題点 山村恒年
CASA(地球環境と大気汚染を考える全国市民会議)連続市民講座第5回−2001年10月20日大阪府社会福祉会館−
<科学技術至上主義=市場主義>
山村先生は環境法学者として有名な方で、環境法政策学会とかのシンポジウムで発言されるのを遠くから眺めていました。この連続講座は市民講座ということで肩肘張った雰囲気ではないし、3時間のうち、残りの1時間くらいは開場からの質問にも答えてくださいました。
9・11以後のブッシュ大統領はいっそう小さな政府を進めています。市場主義は物質至上主義であり、経済成長至上主義の考えです。新エネルギー政策は科学技術至上主義=technology breakthrough、新技術で解決できるというものです。ブッシュ大統領は「アメリカは経済成長しなければならない。それを阻害する温暖化防止対策は反対だ」という考えを表明しましたが、年3%の経済成長によって経済は20年で2倍になるのです。可能でしょうか?地球というパイには限界があると思いますが・・。
対するEUは市場のよいところは取り入れるが社会的弱者も保護する考えです。イギリスのブレア首相の唱える第三の道は市場主義でも社会主義的でもない考えで、「競争も環境も」というものです。環境保全とエネルギー問題を両立させるのがEUの政策だそうです。
日本には基本方針がありませんが、現在はブッシュ大統領に近い考えです。technology breakthroughは経済産業省の考えで、日本の政策は圧力団体の圧力を調整しておこなってきたものです。よくいわれるように日本のエネルギー政策は国会が関与せず、経済産業省が決めてきました。市民参加もなかった。その意味では国会で審議されようとしている自民党エネルギー政策基本法案は一歩前進。改善面の課題として手続面での市民参加、内容面では環境保全と両立させる点があるそうです。同感です。(^-^)
地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)http://www.netplus.ne.jp/~casa/