消費者がかわらなきゃ!!
No54 ペットボトル戦争 2004・7・1
いまも「お〜い お茶」という350mlのペットボトルのお茶を飲みながら書いています。 先週の木曜日に午前・午後ぶっ通しの研修会があってペットボトル2本をゲットしてき たもので(^。^)。
スーツを着たおじさんが多い会場でいつも思うことですが、冷房が効きすぎている!! 寒くって仕方がない。夏にスーツを着ることはほとんどないのですが、このようなセ ミナだけは例外。上着を持って行かない と「凍えるおばさん」になってしまうことは間違いない〜。
ちょっと脱線しましたが、本題はペットボトルの処理戦争。
本当にペットボトルの量は増えてしまいましたねぇ。ゴミになったペットボトルは中身 はカラで軽いけどかさばるのが困りもの。
いまはペットボトルや空き瓶、アルミ缶など一緒に処理している自治体が多いと思い ますが、家庭から出されるゴミのうち、これら容器包装類は容量で6割、重さで2〜3 割を占めるそうです。
これまでも何度も書いてきましたが、ペットボトルの回収量が増えても、ペットボト ルの使用量がその何倍も増えてしまっては何のために『容器包装リサイクル法』を制定 したのか本末転倒になってしまいますよね。
『容器包装リサイクル法』改正を求める市民運動も盛んです。 署名用紙がまわってきませんでしたか? 2006年度に改正される見通しで、この7月(もうすぐですね。もう既に始まっている のかな?)から中央環境審議会で本格審議が始まるので市民サイドの要望を出してい る段階のようです。
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容器包装リサイクル法では、私たち消費者には@「分別しなさいよ」って言ってます。
これは自覚さえあればできることです。
自治体にはA「分別収集・運搬・保管しなさいよ」って言ってます。 △曜日にゴミステーションに出した容器類を集める仕事が自治体の仕事ですね。 分別収集を始めた自治体は間違いなく従来より収集日が増えていると思います。
人件費と車両の費用、保管場所がなければ新たな保管場所の確保(保管場所のある民間 との新たな委託契約かな?)など、コストはかなりの額になると思います。
具体的な金額にすると、ペットボトル、廃プラ、空き瓶の3種で600億円です。 これらのうち人件費が8割だそうです。
そして、ペットボトルなどを作る事業者側にはB「リサイクルの責任」を負わせました。 ペットボトルなどいくらリサイクルしてもリサイクルした製品が売れないという問題がありますが、「ボトルtoボトル」のリサイクル技術も進んできたことから少しは進歩・ 改善中という段階でしょうか。
これら事業者が負担するリサイクル費用は2002年度で353億円だそうです。 事業者というのは、具体的には容器や飲料水のメーカー、スーパーなどの流通事業者です。
実際のお金がまわるシステムとしては、「日本容器包装リサイクル協会」に費用を支払 って、自治体から引き取った容器包装を再商品化しています。
自動車リサイクルも同じようなシステム。こうしてまた、新たな公益法人か中間法人 かが増えるのですね(また、関連業者の天下りポストになります)。
こうしてお金の流れだけを見てみると、容器包装リサイクル法を何とか改正してくれ という要望は自治体から一番強く出てきそうです。いわゆる「リサイクル貧乏」です。
どういう要望かというと『デポジット』制度を導入するなどの方法で、メーカーが廃 棄語の処理費用を負担する制度に変えてくれってことでしょう。
『デポジット』は例えばペットボトル飲料やアルミ缶ビールを買ったときに20円程 度預かっておいて、返却したときに20円(もし処理費用に流用するなら10円を返 すということもありえます。カナダ・ノバスコシア州の制度はこのようになっていま した)を返す制度です。 ビンの流通を増やそうと思えば、ペットボトルやアルミ缶のデポジットと差をつけれ ばいいということになります。
消費者がデポジットとして預けたお金で後処理をするってことは、使った人も使わな かった人も全ての人が負担する現在の「税金による後処理」=「自治体の費用がかかり すぎて悲鳴をあげている状況」からの脱出を意味します。
ややこしい書き方(^^;)になってしまいましたが、価格に上乗せするってことはメーカー に負担を押しつけることではなく、原因者である消費者が直接負担するという「PPP の原則(原因者負担原則)」に沿ったものです。
そして、デポジットは国単位で導入しないと効果的ではありません。
炭素税は企業の 反対が強いので「なかなか状態」のままですが、「ペットボトルのエンドレス増加状態」 に歯止めをかけるための効果的な費用負担方法として「デポジット」の導入をぜひとも 中央環境審議会で話し合ってもらいたいです。