電力自由化政策

No.29 原子力はパンドラの箱(7) 〜核燃料処理 方向転換への最後のあがきは成功するか?〜2004・7・16

 高レベル放射性物質の処理も「長〜〜い目」で見る必要がありますが、その前に同じ 長〜い目線の必要なちょっと柔らかい雑談を。
民主党の管直人前代表もお遍路を始めたんですね。(7月25日に室戸岬の札所に無事到着した模様)  

 本当に今、お遍路ブーム、仏教がブームになっているように思います。 キリスト教もイスラム教も二元論の世界。自分たちの価値観以外の価値観は受け入れない。

 世の中「A or B」で割り切れるほど単純じゃない。そういう風潮のなかで、多神教で あり、おだやかな価値観(殺されたのでなく、自然死したのはお釈迦さまだけ)をも つ仏教が心の拠り所として見直されているのかもしれません。

 仏教は世界の3大宗教のひとつなのに、宗教について学校で教えるのはタブーのよう なところがあります。仏教について学んだことというと、お釈迦様がインドで生誕し たこと、日本への伝来時期の論争、あるいは延暦寺の僧兵とか鎌倉仏教の宗派だと か、日本史の知識の断片程度の知識しかありませんでした。恥ずかしながら「伽藍」 の意味すら知りませんでした(^^;)。

 84番札所屋島寺の近くに住んでいるので、朝「歩き遍路」をしている人たちをよく 見かけます。退職したお年寄りだけでなく、20代、30代の若い人たちもよく歩いてい ます。雨にも負けず、風にも負けず、夏はこの暑いカンカン照りにも負けず、ひとりで ひたすら歩き続ける「歩き遍路」は本当に大変です。

 できるかどうか分からないけど「いつかは歩き遍路を」と思いつつ「グータラ根性」 が抜けないワタシにできたのは、おばあちゃんたちといっしょの「お手軽遍路バスツア ー」でした(^^;)。  http://hiroko.s11.xrea.com/x/main/pieces_3.htm
いつになるか分からないけど、次は歩き遍路(でも山登りのお店の主催している歩き遍路^^;)に挑戦しようと思っています。

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 さて、原子力立地をめぐる闘争ではなく、原子力政策自体を正面から取り上げたニュ ース番組ってあまり記憶にないのですが、古館さんの「報道ステーション」では核燃料 サイクル問題が取り上げられていました。

 あまり踏み込んだ内容でもなく、個人的な見解を述べるわけでもなく、淡々とした報 道のように見えましたが、それでも報道すること自体が大変なようです。

> ごまめの歯ぎしり メールマガジン版   河野太郎の国会日記
> テレビ朝日が報道ステーションで核燃料サイクルに関して報道をし
> たとたんにスポンサー筋から強烈なアクションがあったそうだ。
> 報道ステーションは関連企業からのスポンサーはないそうだが、テ
> レビ朝日全体に対するスポンサーの引き上げという圧力をかけてい
> るらしい。
> 要するに報道されては困るという政策を必死になって遂行しようと
> しているのだ。まともなわけはない。

 間違いを金で隠すのか。 「直接の答弁資料作成者の担当課長、当時の資源エネルギー庁電力・ガス事業部原子力政策課長安井正也」は、こ の資料を作った時の総括班長ではないか。資料作成の実働部隊だっ た人間が今回の虚偽答弁の作成者なのだ。まさに作った人間が隠し たのだ。これが「故意な悪質なものではない」はずがない。こいつ が自分の机の引き出しにあった資料をロッカーに隠した張本人では ないか。

  環境・エネルギー問題に関するビジョンとしては、「50年後に原子力をフェーズ・アウトするための エネルギー政策」という河野太郎さんの現実路線に個人的には賛同しています。

  そして、いま議論が進められている最中の原子力委員会の近藤駿介委員長は「使用済 み核燃料はコストだけでは決められない」とのスタンスに立っていますが、 それでも「電力自由化を決めたときに再処理問題も決めておくべきだった」「国策民 営の時代は終わった」との認識を示しています。

  要するに、六ヶ所村の再処理工場が稼働間近ないまごろになってやっと議論がスター トしたというのは「『問題先送り体質』の経済産業省の体質に問題あり」ということです。

  トーゼン経済産業省だけが悪いのではなくて、国の方針に従って民間の利権もからん でくるという体質こそが改善されるべきです。 電力会社も「金がかかり時間がかかる原子力新規立地からは手をひきたいが、過去の使用済み燃料の再処理をいまさらヤーメタというわけにいかない」と頭を抱えている のでしょう。 「原子力委員会」が日本の原子力政策を決めるわけではありません。

  「日本のエネルギー政策」を実行に移すうえでは経済産業省や環境省が必要ですが、 方針を示すのは国のはず。国というのは政府?政府というのは行政庁?それとも立 法府?責任の所在はどこにあるのかな?こう考えると議院内閣制はファジーな制度で すね。

ともあれ、
 @原子力発電を続けることを前提とする。
 A高速増殖炉の実用化を前提にするのが再処理路線であった。
 Bところが実際は、高速増殖炉の実用化のメドはたたず、プルサーマル発電のMOX燃料として使ことしかできない。
    MOX燃料の価格はウランの8倍。 というのが現状です

  電力自由化と両立できず、@の前提から揺らいでいる状態です。
数年前の事故でAの 高速増殖炉実用化のメドが立たないのも大きな変化要因です。

  このように核燃料サイクル推進の前提条件がいくつも変わってきている現状で、時代 の変化を無視した政策を続けるのは愚の骨頂です。 それにもかかわらず、再処理路線が維持されそうな現状に危うさを感じてしまいます。

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