分散型エネルギー普及策

No.18 再生可能エネルギー国際会議2004  2004・6・1

  今日からドイツのボンで「再生鹿野王エネルギー国際会議2004」が開催されているそ うです。日本のテレビや新聞で話題になっていませんので全然知りませんでした。

 河野太郎代議士のメルマガ「ごまめの歯ぎしり」で、

「再生可能エネルギー国際会議2004に参加するためにボンに来ています。 明日はNGOの会議に出席し、あさっては国会議員会議の基調演説と宣言の起草委員 会に参加する予定です。」 という書き出しがあったので初めて知りました。

  この会議の主催者はドイツ連邦政府で、シュレーダー独首相が2002年8月のヨハネスブ ルグ地球サミットで開催を約束したものだそうです。そしてこのボン会議では、世界 全体や国別の再生可能エネルギーの導入目標が提案されることになっています。

  「日本政府のプレゼンスはまったく感じられず、・・・・この会議は、日本政府の馬 鹿丸出しということになりそうです。」 という情けない政府の内幕が書いてありましたが、「もっと、もっと、もっと頑張れ、ニッポン」です(^。^)。

  いつまでも入り口で立ち止まってああでもない、こうでもないと井戸端会議をするば かりではなく、ホンキで再生可能エネルギー推進策を打ち出してもらいたいものです。 「国産エネルギーは原子力でなく、再生可能エネルギー」と自慢できる日本になってもらいたい。 「安定性」「経済性」うんぬんの堂々巡りばかりしていてはホンキで導入を進めてい るEUに遅れていくばかりです。

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NEDO海外レポートNo.930には【特集】新エネルギーとして「EUの再生可能エネ ルギー導入普及に関する最近の動き」のレポートが掲載されています。 http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/930/930-01.pdf

  現在、EUの再生可能エネルギー導入目標として3つの欧州指令が発効しています。
@「再生可能エネルギーに関する欧州指令(2001)」 →2010年までに、最終エネルギー供給量の12%を再生可能エネルギーにする。
A「グリーン電力推進に関する欧州指令(2001)」 →2010年までに電力供給の22.1%を再生可能エネルギー電力でまかなう。
B「バイオ燃料促進に関する欧州指令(2003)」 →2010年までにガソリン、ディーゼルの5.75%をバイオ燃料代替にする。

で、EU諸国での普及の現状はというと・・・2000年現在の再生可能エネルギー合計 は388TWhで15.1%です。これを2010年に675TWh、22.3%まで増やすことを目標と しています。

個別にみると、
★風力発電→伸びが大きい。国別ではドイツ、スペイン、デンマークの順です。
★太陽電池→世界第一位の日本の637、000kWpに対し、一位のドイツで278,000kWp。
  やっぱりヨーロッパは「太陽がいっぱい」の国ではないようです。
★バイオマス→稼ぎ頭。バイオマスの比率が高いのは北欧諸国やオーストリアです。
  一方、BDFなどのバイオ燃料はドイツ、フランス、イタリアです。
★水力→圧倒的な割合を占めるのはやっぱり水力です。 再生可能エネルギー15.1%のうち水力は12.5%です。

  このように再生可能エネルギーは風力とバイオマスに依存していく計画です。 2020年にはバイオマスを2000年の3.8倍、風力を19.8倍の増加目標です。

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 国土の70%が山地、そして森林が荒廃してしまっている日本としては、どっかで聞い た言葉ではありますが「バイオマス、ニッポン。頑張れ、バイオマス」と声高に言い たいし、また、実践したいです。

  間伐材や木質廃棄物のエネルギー利用も可能だし、菜の花やひまわりやとうもろこし からバイオディーゼル燃料(軽油に混ぜる)、燃料用エタノール(ガソリンに混ぜる)を作り、エネルギーとして利用する方がずっと 地球に優しい方法です。

 草の根運動ってわけでもないし、政治家の好きなフレーズ「風は地方から」でもない のですが、「亀の歩み」でも頑張ってバイオマスにこだわっていきたいと思います。 まさしく、地球環境問題は「Think globally, Act locally」ですから・・・。

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