豊島事件と産廃問題

 

No.10  菜の花バスプロジェクトいよいよ始動 2002/9/12

「菜の花でバスが走ると楽しいね」
産廃不法投棄で有名になってしまった豊島(人口1200人くらい、高齢化率がとても高い、当然公共交通機関なし、信号もなし)に新たに路線バスを走らせようというプロジェクトが動きはじめました。

昨日、豊島で菜の花バスの試乗会が行われました。BDF(食廃油100%ディーゼル燃料)を使った試乗会、「一足早いお年寄りへの夢のプレゼント」として島内を2巡しました。そして、その後、公民館で第1回検討会が開かれました。

参加者は豊島住民(島づくり委員会)、香川県・土庄町からそれぞれ1名、小豆島バスの社長さん・社長室長さん、小豆島フェリー社長さん、日本通運社員3名、メッツ研究所所員2名、それに市民団体「豊島ネット」から4名(私はここのメンバーとして参加しました)。オブザーバーの島の人たちが10人くらい、プラス、マスコミ数名という構成でした。

3つの課題として@公共交通機関の創設、A燃料としての廃食油回収の仕組み、B休耕地回復と菜の花栽培及び産品化。
2つのステップとして@豊島における公共交通機関創設→A小豆島における応用(3町廃食油回収システム確立)が提言されました。

離島での公共交通機関として補助金をあてにするというプランも考えられますが(運賃以外の何らかの補填がないと収支的には当然成り立ちません)、行政への財政的支援は求めない方針です。

事業主体はまだ未定です。これから月2回をめどに検討会を重ね、11月には中間報告を出す予定です。 「豊島ネット」というのは高松市民を中心に、全国に300人くらい会員がいるNPOです。1995年から豊島のサポーター的活動をしています。豊島ネットには@バス利用者ネットワークの構築、A菜の花栽培ネットワーク形成の可能性の検討、が宿題として出されました。

病院に通うお年寄りの利用だけでは路線バスは成り立ちません。一方豊島を訪れる島外からの不法投棄現場視察は年間4000〜5000人ですが、いざフェリーで島にきても交通機関はなし、現場までどうやって行こうか、説明をしてくれる専従の人もいないし・・・という状態です。これらを何とかつなげないかということです。

 再生可能エネルギーといっても屋根に太陽光をつけるわけにいかない。市民共同風力といっても、風がほとんど吹かない地域だし・・・。でも、バイオマスならお金があまりなくてもやっていけるんじゃないか。ましてや菜の花を栽培するための休耕地はあちこちにあるし、「やってみよう!」ということで数人で田んぼを借りて菜の花栽培を始めることにしました。とりあえず、9月28日に種まきをする予定です。

 環境はビジネスにならなくちゃ、と思っていますが、いかんせん、菜の花を10アール作っても3万円くらいにしかならないそうです。収益性が悪いのが泣き所ですが、それでもやってみようと思っています

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