豊島事件と産廃問題

 No17  リサイクル工場等視察見学会 2002・11・18

 高松商工会議所主催の「リサイクル工場等視察見学会」(11/15)に出かけてきました。

(株)リソーシーズ(高松市のビン缶容器包装類を一括処理する業者、「消費者がかわらなきゃ No2ゴミの分別収集」に書いています)、キリンビアパーク岡山(ゼロエミッションで有名なところ、「消費者がかわらなきゃ No17 キリンビール工場見学記」に書いています)、そして平林金属(岡山県のリサイクルファーム内にあります、ここは初めて)という3ヶ所です。  

 平林金属というリサイクル施設は家電リサイクル法の施行に合わせて平成13年4月にオープンしたそうです。 冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコンの4商品は家電リサイクル法によってメーカーにリサイクルが義務づけられています。

 メーカー側も自前でリサイクル施設をもつBグループ(三菱、シャープ、ソニー、日立;59%)と従来のリサイクル施設に委託するAグループ(松下、東芝等19社;41%)に分かれます。平林金属はAグループ19社の委託を受けて、中四国の家電リサイクルを一気に引き受けている会社です。

 洗濯機だけは別の場所でやっているそうですが、テレビ、エアコン、冷蔵庫、それにパソコン等OA機器の4品目のリサイクルをおこなっています。基本的には製造ラインと逆のラインで分解をしていくそうです。

 昭和47年以前はPCBの入ったコンデンサーが使われている、テレビはブラウン管が60%を占めるがリサイクル法では55%以上のリサイクルが義務づけられているのでブラウン管を何とかリサイクルしないと目標値を達成できない、といった現場の苦労を説明してもらいました。  

 10月1ヶ月間で冷蔵庫15,000台、テレビ12,000台、エアコン8000台を処理したそうです。夏場にはエアコン、冷蔵庫が集中するので派遣社員をつかって処理しているそうです。

   メーカーからの委託処理費用と金属・プラスチック等の処理料金が会社の収入になります。去年から始めたばかりですが、平成13年度はまだ赤字だったそうです。今年は去年より処理量が増えていることから、今後は採算ベースに乗せていきたい。もっと処理量が増える事態になると2交替制で乗り切っていく予定だそうです。

 リサイクル側からメーカー側への提言も行っています。分解しやすい製品を使うようにメーカー側もかわってきていますが、廃棄されるものは平均13年前のものです。これらがリサイクル施設にかえってきますので、タイムラグの問題がここにもあるようです。

 ガラスやプラスチックで手を切る事故があるので手袋・保護服の工夫をしているそうですが、それでも騒音や粉塵がすごい。決して楽な職場ではありません。

 この日、最初に訪れたビン缶プラスチックの処理業者では、ビン缶の分別は屋外のラインで人の手でやっています。臭いもきつい。音も大きい。「夏は暖房、冬は冷房」と社長さんが揶揄されていましたが、大変な職場です。

 一方、ゼロエミッションを掲げるキリンビール工場は工場というイメージらしからぬ綺麗な環境で(広い庭にはビオトープの池もあり、蛍も飛ぶそうです)、ほぼ機械化され、広大な工場で働く人は百数十人です。

 生産の段階でリデュースをというお題目をまたまた実感させられました。理念としてのリデュースは浸透しているのですから、これからは価格の問題やタイムラグをどうクリアするかだと思います。

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