豊島事件と産廃問題

No.5  廃棄物処理法の抜け穴

 廃棄物処理法、正確には「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」は昭和45年施行以来何度も改正されていますが、法は世の中に遅れるを体現している法律です。

 不法投棄の方法はだんだん悪質化していくので一生懸命法律が後を追っています。千葉県の銚子市や市原市は「豊島よりもひどい」といわれる産廃の不法投棄現場が多数存在するそうです。千葉県の堂元知事は参議院議員から知事に就任された方ですが、国会議員時代は廃棄物処理法がザル法だとは認識していなかったそうです。

 不法投棄をしている産廃業者は「悪質、巧妙、したたか」で、こうした種類の人がいることを法律を作った人たちは認識していない。確かに全ての人が法律=ルールを守ると悪人も犯罪者もいないことになるのですが・・。

 千葉県では、2002年に廃棄物適正処理条例をつくり、率先して取り組む予定だそうです。「風は地方から」です。自治体が一斉に動き出せば国も動くでしょう。

 憲法94条によると「法律の範囲内で」条例を制定することができます。公害規制に関しては上乗せ条例、横出し条例は違法ではないとする見解が多い。産廃はどうでしょうか?地方の実状に応じて別段の規制を課しても「よりよい環境を守る」趣旨からみて容認されるのではないでしょうか。 

 ゴミ問題の根本的解決のためには排出抑制が必要です。ガス化溶融処理が進んでゴミが足りない時代になるかもしれません。静脈産業をビジネスラインにのせることが必要な一方で、ゴミが足りなくなって不法投棄がなくなる時代がくることを逆説的に望みます。

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