研究会・講演会備忘録−印象に残ったひとこと−
No.3 地球環境問題とビジネス 枝廣淳子(環境ジャーナリスト)
高松商工会議所環境委員会・女性会合同講演会 −2001年11月16日−
<時代を動かすのは・・・、足をひっぱるのは・・・>
枝廣さんはenviro-newsというメールニュースを出されている方で、2年ほど前に初めて講演会を聞いて以来、今回で5回目です。聞くたびに講演がうまくなっていくのにはびっくりです。枝廣教ともいえる努力の人の私生活は朝2時起きで、なんでもできる!(2002年:サンマーク出版)に書かれています。
今回印象に残った言葉は、時代を動かすのは@地方自治体、A個別企業、BNGO、足を引っ張るのは@中央政府、A業界団体、B労組だそうです。なるほどと思いました。
環境問題は個人の力だけではとうてい解決は無理で、環境保全のための政策が必要です。政策をかえさせるためには「消費者がかわらなきゃ」いけないわけですが、その風を感じているのが地方自治体、個別企業、NGOというわけでしょう。いずれも生活に密着したセクションです。
これからは環境を考慮しないと企業は生き残れないと感じている企業は「環境報告書」を出したり、地方自治体でISO14000取得ブームが起きたりと確かに時代は動いているのに、業界団体となると守旧派の圧力団体になる。電力会社でも若手の方々の意見をきくとエネルギー基本政策のない場当たり的なパッチワークではやっていけないといわれるのに電力業界の意見となると電力自由化反対、原子力維持政策となる。
政府はアメリカ追随の政策しかできない。EUの国々は「まずやってみる」といろんな政策を打ち出しているのに日本はいつまでたっても独自色を出せない。環境の分野でこそ日本は先進国になるべきです。経済成長を前提とした政策はいきづまりでしょう。「もっと、もっと」と求めるときりがない。お金は確かに幸福になるための必要条件ですが、十分条件ではない。「足るを知る」心が必要でしょう。足るを知る、もったいないも枝廣さんが講演ごとにいわれている言葉です。
枝廣淳子さんの環境トップページ http://www.ne.jp/asahi/home/enviro/