研究会・講演会備忘録−印象に残ったひとこと−

No.8  クリーンエネルギーと分散エネルギーシステムの最新動向を探る
  日刊工業新聞社・NTTファシリティーズ主催
       −2002
222日工業新聞社大阪支社−

<アイスランド〜国をあげて水素エネルギー社会へ〜>

   この日は日刊工業新聞社から徒歩10分のところにある日経大阪本社で開催された「商法改正と企業の対応」というセミナーとハシゴ受講したので、講演T新しい時代のエネルギー政策(近畿経済産業局・資源エネルギー部長 岡村繁寛氏)は聞きたかったけど、聞けませんでした。講演U分散エネルギーシステムの役割と課題(東京大学新領域創成科学研究科教授 山地憲治氏)は面白かった。

  これからは分散型エネルギーに転換していかなくちゃいけないのは分かっているのですが、技術的に可能かどうかについてはこてこての文系人間には理解が及ばない。山地先生のような技術系の方に数字に基づいて説明してもらえると、わが意を得たりって納得気分です。電力系統と情報技術の融合などは以下のURLにあります。 http://www.echonet.gr.jp/1_echo/

 印象的だったのはアイスランドの動向です。山地教授を団長に200199日〜19日までヨーロッパ調査団を組んでフィンランド、スウェーデン、ドイツ、デンマーク、アイスランド、イギリスを訪れたそうです。こんな調査団には鞄持ちでぜひとも同行させていただきたいけど、かなわぬ夢でしょう。アイスランドが国をあげて水素エネルギー経済をつくっている。ダイムラー・クライスラーやシェルなどの企業が協力しているということは新聞等で知っていましたが、なかなかアイスランドなんて地の果て(?)の国を実際に訪れた人の話は聞けないので有意義でした。

 アイスランドは人口27万人の小さな国です。電力の82.7%は水力、一次エネルギーの53.2%は地熱発電です。今もてはやされている燃料電池は天然ガス主流なのでCOフリーではありませんが、アイスランドは自然エネルギーで電解水素を作ろうとしています。COフリーです。そして、燃料電池バス・燃料電池自動車・燃料電池漁船を運行するためのECTOS推進にあたり、企業か効果的に連携しています。これが究極の水素社会だと思います。日本ならどうなるか。27万人の国と1億人の国とを一概に比較はできませんが、ビジョンとして水素エネルギー経済をめざすこと、企業が協力することはできるはずです。

 政府も燃料電池に積極的です。228日の小泉内閣メールマガジン第36号に
★☆ 今週のキーワード「燃料電池」 ☆★ 環境にやさしい新しいエネルギーとして期待されています。
という記事に付随して燃料電池の仕組みまで解説してありました。

 http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2002/0228k.html

大いに期待したいです!!

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