研究会・講演会備忘録−印象に残ったひとこと−

No.9 環境と経済の両立に向けて「環境・持続社会」研究センター主催
    
2002331日 労働スクエア東京ホール−

   <工業優先社会をかえていく>  中村敦夫参議院議員

 労働スクエア東京ホール(中央区)で、国際セミナー「環境と経済の両立に向けて」が開催されました。510人が定員のホールでした。海外の研究者の講演があったり、パネル討論には国会議員の方々や大学の先生方、環境省や東京都の担当者も参加されるなど、それなりのセミナーだと思いますが、がらがらでした。

 これは「環境・持続社会」研究センター(JACSES)というNGOの主催でした。新聞社や環境関係学会の主催だと、あふれんばかり人々で驚くべく集客力ですが、NPOの時代とはいいながら、日本ではまだまだ力が弱いんだなぁと実感させられました。

 工業優先社会をかえていくというのは参議院議員の中村敦夫氏の言葉です。このセミナーは「地球温暖化防止のための炭素税導入を軸に」というサブタイトルが示す通り、炭素税導入のためのマニアックな議論も多かったのですが、その先にあるのは「化石燃料を基礎とする社会から、産業形態をかえていかねばならない。産業の転換の中でとらえるべき」という意見でした。

 批判がくりかえされながら、既得権益と結びついていらない道路を作り続ける道路特定財源など、化石燃料を基礎とする産業はかわらざるをえない。そのためのソフトランディングが重要との意見でした。

 炭素税や排出権取引といった経済的手法は実際にどの程度CO2排出削減効果が望める形で導入できるか、がポイントだと思っていました。今回は雇用を活性化する改革という新しい視点で考えることができたのが交通費4万円を使って参加したメリットでしょうか。

 やはり市民参加が一番大切です。自分たちの未来を官僚や政治家だけの手に委ねることなく、政策に関わり考えていきたいと思いました。

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