消費者がかわらなきゃ!!

No.10  ボトル型アルミ缶とB to B(ボトルtoボトル)

 ペットボトルが増えてます。でも、回収量も増えてます。最近は大体の自治体でペットボトルを回収しています。その費用は容器包装を製造・使用する特定事業者が、日本容器包装リサイクル協会に支払っています。再資源化委託費というそうで、2001年度で506億円です。リサイクル率があがると、費用も増え続けることになります。つまり、メーカーからみると、リサイクルが進めば進ほどコスト負担が増えるということになります。

 そこで登場したのがボトル型アルミ缶です。ビールかと思って手にするとふたのついたアルミ缶のウーロン茶だったことがよくあります。あれはどうしてだろうと思っていたのですが、飲料水メーカーが委託費の負担増にたえかねて、コストの安いアルミ缶へ素材転換したのだそうです。

 ペットボトルを1回使用するだけで捨てるのももったいない話ですが、リサイクル施設に運ばれたペットボトルを再生PET樹脂にするにはエネルギーが必要です。そして、リサイクルされた製品の用途はシーツや繊維、文具などですが、再生樹脂の市況は低迷しています。要するに増え続けるペットボトルの回収量に再利用が追いつかない状態です。

 リサイクルコストを押さえ込む決定打はまだないそうです。ペットボトルの利便性は捨てがたく、まだまだ増え続けると予想されています。環境に悪いが利便性を選ぶべきか、環境にやさしいが重い瓶を選ぶべきか?ポカリスエットを飲みながら、ハムレットみたいな心境になります。

 ペットボトルのリサイクルは最後はボトルそのものに帰すボトルtoボトルしかないというのがボトルメーカーや飲料メーカーの一致した見方だそうです。2003年頃からペットボトルを再びボトル用ペット樹脂に戻す事業が始まるそうです。

 リユースという意味では瓶の方がずっといいと思いますが、お年寄りや、小さな子供にとってはペットボトルの方が便利といえるかもしれません。B to B事業も当面は赤字覚悟だそうですが、それでも資源循環への責任を含めて取り組むそうです。こういうところは企業も意識を変えなくちゃといえるでしょう。リサイクル製品を素材として活かす試みが必要でしょう。(2002・9・4)    

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