消費者がかわらなきゃ!!
No.14 自動車リサイクル法成立
家電4品(テレビ・洗濯機・冷蔵庫・エアコン)をメーカーが回収し、再利用をはかる家電リサイクル法は2001年4月から施行されました。回収率は7割を超えるそうです。これは廃棄の際にリサイクル料を払う仕組みですが、来年夏から始まる予定のパソコン・リサイクルは購入時に購入価格にリサイクル費用が含まれます。消費者にとってはリサイクル費用を前払いすることになります。
2004年中のスタートを目指している自動車リサイクル法が2002年7月に成立しました。負担方法はパソコンと同様です。新車購入時に所有者の負担になります。1台2万円程度になる見通しです。前払い方式なので、不法投棄を防ぐためには効果的です。
でも、問題がないわけではありません。クルマは毎年500万台が廃棄されますが、大体10年は使用されます。だから新車購入時に2万円をメーカーに預けておいても使われるのは10年後。その預け金の総計は1兆4000億円と推計されますが、それらは公益法人である資金管理団体が管理することになります。
1兆円を超える資金を預かる公益法人は天下りの温床になる可能性があります。行政改革に逆行するし、中古輸出に対する歯止めなども必要です。
いま、車は重量比75%から80%まではリサイクルされています。あと20〜25%を占めるシュレッダーダスト・フロン・エアバックのリサイクルのために販売時に消費者からリサイクル料金を預かるシステムを採用したのです。
以下の図に示すように、自動車工業会の試算では95%まではリサイクル可能です。価格の問題さえクリアできれば、技術的にはほぼ100%リサイクル可能な段階になっています。
自工会研究の結果と自動車リサイクル率
20〜25%部分をマテリアルリサイクルとして再資源化するか、あるいは、技術開発はめんどうくさい・研究開発費がかかると考えて、サーマルリサイクルとして熱利用を推進するか?
サーマル・リサイクルはNo.12でも書いたように資源再利用効率としては最低だそうです。一方で、無理してマテリアル・リサイクルをしてもグリーン購入に結びつきにくいという難点があります。でも循環型社会の理念に従うとゆくゆくはリデュースを促すように、マテリアルリサイクルを推進すべきでしょう。
サーマル・リサイクルは、マテリアルリサイクルを行うためのエネルギー源として分別した「燃えるゴミ」を利用するところにその位置づけがあります。
サーマルリサイクル推進を打ち出すと悪貨(サーマルリサイクル)が良貨(マテリアルリサイクル)を駆逐するのは目に見えています。ましてや、リデュースには絶対結びつかないでしょう。