消費者がかわらなきゃ!!

No.19 不況の原因は消費不足のせい?

 よく耳にするグローバル・スタンダードというのはアメリカ型経済社会をめざすことですよね。アメリカ型とは簡単にいうと「みんな、どんどん買いなさい」ってことです。みんながいっぱい買えば品不足→競争が激化→景気がよくなる、というパターン。買うためにはどうするか→政府がもっていても仕方がない。商売人にもたせればよい→減税→小さな政府・・・という競争重視を重んじる結論になります。

   税金の専門家も「減税によって消費の抑制を」っていいます。じゃ、何を買えばいいのでしょう?こんなにモノがあふれているのに・・・。

 お金があったら何に使いたいですか?私はもうモノはあまり欲しくないです。パソコン関連は仕事の関係もあって必要だし、テレビも壊れたら買い換えの必要があります(テレビをみて浪費している時間がどれほどあることやら???)。

 でも、家電製品があふれている中、新製品が出ても、部屋も狭いし、No More Goods って感じです。健康のためとか、時間があれば旅行やエンターテインメントにはお金を使いたいです。自給自足経済ではないので、お金は幸せになるための必要条件だとは思いますが、決して十分条件ではありません。

 モノが売れないという一方で、政府は環境対策としてライフスタイルを変える必要があるなんていいます。政府というのもあいまいな抽象的な言葉で「ライフスタイルを変えるべき」というのは環境省あたりで、「モノが売れるように、消費者はどんどん買ってください」というのは経済産業省・財務省あたりでしょうか。  

 でも、どう尻をたたかれても消費は伸びないと思います。日本の製造業は付加価値のあるモノつくりしか生き残る道はないと思いますが、フツーの製品では購買意欲がわかない。大体のフツーの家庭は食器類も服も家中にあふれているんじゃないでしょうか。

 ということは日本の将来は落日のみでしょうか。従来型のGDPの計り方ではそうなるでしょう。でもGDPの計算の仕方自体がおかしいのであって、心の豊かさを計測できる計算方法が必要なんだと思います。発想の転換が必要な時期にきていると思います。

 京都大学の佐和隆光教授が以下のようにおっしゃいました。「北欧やデンマーク、オランダのように環境に熱心な国は、@十分豊かである。A教育水準が高いというバックグランドがある。、じゃ、日本はどうして環境に熱心でないのか。日本は本当は豊かではないし、教育レベルも高くないのではないか」。  

 もっと、もっと、という欲望にはきりがありません。最近いろんなところで聞く言葉ですが、「質素にいきるが心は幸せ」を感じるようにならないと限りない欲望の海に沈んで、経済のいびつさばかりが目に付く日本になってしまうのでは、と思います。

 

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