消費者がかわらなきゃ!!

No.27 ごっくん馬路村とモネの庭 2003・7・31

 高知県は四国の中では広〜い県です。長い海岸線を持っています。その広い土地に住んでいる人は100万人足らずですから、自然が豊かってことになります。高知市から室戸岬まで海岸線に沿って町が点在しています(ちなみにお遍路さんに行くときは一ヵ寺から一ヵ寺までの距離が長く大変です)。

 2年ほど前に室戸岬にある風力発電所を見にいきました。当時四国内にあるのは4基くらいでした。いまでも四国内にある風力発電は10基以下だと思います。風力発電用の風は「強すぎず、弱すぎず」と、なかなか注文が厳しいのです。風力に適当な場所は東北・北海道地方に偏在しているので西日本での普及は難しいかもしれません。(洋上発電はいくらでもできますが・・・)

 で、四国山地の山の中のある大豊町の風力2基と室戸岬にある1基を見学にいった帰り道、北川村というところにあるモネの庭に行きました。フランスのジヴェルニー村(ジヴェルニー村はフランスのパリから西へ80kmの所にある広さ約660ha、人口約700人の小さな村です。村人の主な仕事は農業で、豊かな自然の中に美しいリンゴ畑が広がり、その新鮮なリンゴで作られるシードルやカルバトス酒が人気ということです。)はモネが43才のときに移り住み、86才で亡くなるまで過ごした村で、「モネの庭」はその模倣です。

 北川村「モネの庭」マルモッタンはこの庭園と家をクロード・モネ財団の指導を仰ぎながら、できる限り忠実に再現したものです。なんでもジェトロの支援か何かで実現したらしいです。なんで日本の田舎にヨーロッパの模倣ばかりあるんだと反対意見も当然あるでしょう。

 この場所は、北川村の周囲の風景とは異質の空間ですが、それなりにきれいでした。当時は無料でしたが、今は300円の入園料みたいです。300円でしばし、モネ気分に浸ることができるのだから安いものです。http://www.kitagawamura.net/monet/

 太平洋が望める高台にある別世界「モネの庭」を後にして馬路村に向かいました。http://www.inforyoma.or.jp/umaji/ の案内によると、高知市内から国道55号を安芸・室戸方面に約51km、1時間20分で安田町へ。安田町から県道12号安田東洋線を約20km、30分で馬路村着という旅路です(実際は30分どころで到着できない!)。

 安田川水系ということですが、これが感激するほどの田舎道なのです(^。^) 川に沿って道路(対向車どおしが離合できないほど狭い)がくねくね。右側は急流の安田側、左側は山がそびえたっている。「雨が降ると土砂崩れがいつ起きても不思議はない」という道を20キロ、四国山地の山奥を目指して進みます。

 そうしてやっと、馬路村到着。まず思ったのは、人間はこんな山奥にも生きていけるんだ。たくましか〜ってことです。

 村の入り口には「まがいちゃ家」とかいう村営おみやげ屋兼案内書があります。ここで買った「やなせ杉」の名刺に感激して(木の香りがなんともいえず素晴らしい)、それ以来、名刺は馬路村産です。http://www.inforyoma.or.jp/umaji/meisi/meisi.html から申し込むとすぐ、連絡があります。

 全国的には「ごっくん、馬路村」がどの程度有名かわかりませんが、地元テレビではしょっちゅう、CMが流れています。毎月30本ずつ宅配してくれるサービスを頼もうかと思ったほど美味しい。

 馬路村は人口1000人程度の超過疎の村です。それでも「やればできるんだ」という見本です。

 今は村の面積の96%をしめる森林を丸ごと売り込もうと、村が中心になって設立したエコアス馬路村(村長さんが社長さんです)の活動もしています。「ドングリ1個から住宅建材まで」をキャッチフレーズに、間伐材製品の開発や販売をしています。

 森林の荒廃が叫ばれているのに「あっぱれ、馬路村」です。エコアス馬路村も経営的には決して楽ではないようですが、もっともっと頑張って、環境をビジネスにしてもらいたいものです。

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