消費者がかわらなきゃ!!

No.37 NPOの資金調達方法の多様性 2003・3・19

 平成10年にNPO法が制定されて5年以上になります。特定非営利活動法人(NPO法人) の認証を受けている団体は1万6000を超えています。(3月現在) と同時に曲がり角にきていると もいえます。 日本NPO学会もあります。今日から21日まで第6回年次大会が横浜で開催されています。 http://www.npo-support.jp/

  物理的(?)に遠くて参加できないのが残念です。

@資金調達と財務
A市民からみた公益法人改革
B日本の寄附とボランティア:最新の全国調査による分析
CNPOの会計と税制「NPO法人の税制に関する課題と展望」
などのセッションはぜひ聞いてみたかったです。

  最近つくづく考えてドツボに入りそうなのは資金調達方法やNPOの収益活動(NPOとビジネス)のあ り方です

 気持ちの面でのボランティアはけっこうなことですが、労力に対し ては絶対ボランティアであってはいけないと思っています。

  自分たちのやっていることの公益性に何らかのこだわりがあるので単なる株式(有限)会社ではなく、NPO組織にしているのでしょう(介護関係にはあるそうですが、これが課税逃れのNP O法人というのであれば論外です)。

 で、NPOに関与している人たちも生活が あるわけですからボランティアというわけにはいきません。給与を払う必要が あります。そして事業を始めるための原資が必要になります。

  メンバーのうち誰か小金持ちがいればとりあえず寄付か借入として出資してもうという手があります。でも、このような寄付を当てにできるのはレアケースです。 もっと一般から寄付を募ることができればいいのですが、寄付金が税額控除の 対象となる「認定NPO」は平成16年3月12日現在で22団体です。 http://www.nta.go.jp/category/npo/04/01.htm

  22団体の名前の一覧表をみて知っているのは「国境なき医師団日本」くらいです。認定NP O法人になるための壁は緩和されたとはいえまだまだ高いです。

 となると寄付ではなく「出資」か「借入」として資金を調達する必要がありま す。借入をしようとしても、一般の銀行は<大部分のNPOは担保となる財産をもたない ので>NPOへの融資は消極的です。

  一方で無担保で融資してくれる市民バンクもあります。北海道NPOバンク (札幌市)、NPO夢バンク(長野市)、女性・市民信用組合設立準備会(横 浜市)などです。無担保でも200万円程度までなら2%程度の低金利で貸して もらえます。

  自然エネルギーの普及へ、人気ミュージシャン(坂本龍一、小林武史(音楽プ ロデユーサー)、桜井和寿(ミスチル))らが立ち上げた金融NPO(アーテ ィストパワーバンク)もできました。3月中にネットで融資の募集を始める予 定だそうです。 資金調達方法が多様化してくるのは望ましいことです。

 でも、お金を借りるのは大変なことで、借りたお金は必ず返済する必要があり ます(「借りたカネは返すな」などと自己破産を当てにしてはいけません!)。 「しっかりした資金計画、事業計画」がNPOにも必要です。

 <営利目的でない >こととは利益の配当をしないことを意味します。「営利目的でない=事業計画が作れない仲良し団体」となってしまっては先細りになっていくだ けです。認証NPOを作ることは簡単です。要件さえ満たせば自治体は必ず認証して くれます。でもメンバーが代わっても団体として続けていくのは大変なことです。

  昭和39年10月15日の最高裁判例に権利能力なき社団(NPOの認証をう けると権利能力の主体になれます)となるための要件があげられています。

@団体としての組織を備え、多数決原理が行われる。
A構成員の変更にもかかわらず、団体そのものが存続する。
Bその組織によって代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体としての 主要な点が確定している。

・・ということは「認証NPO法人と」なるにはそれなりの覚悟が必要というこ とです。自戒を込めて、心底、そう思っています。

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