消費者がかわらなきゃ!!

No.38 BDFを持続可能なエネルギーにするために 〜菜の花プロジェクト普及の障害になっているものは?〜 2003・3・31

     
       <今年の菜の花畑の様子>

 今年も菜の花を育てていますが、去年より育ちが悪い。妙に慣れてしまって手抜きを したせいかもしれません。 せっかく始めたので続けようとは思っていますが、あくまでボランティアベースで す。ビジネスになど到底なりそうもなりません。

 バイオマス関連はどこも苦戦してい るようです。でも、ビジネスにしないことには長続きはしません。「ワーク」でも 「ボランティア」でもなく、「ビジネスにする」ということは、この仕事をメインの 仕事にして暮らしていけるということです。 バイオマス発電やバイオ燃料に関する技術面の壁は(たぶん)乗り越えることができ るのだと思います(技術面に素人の分、ノー天気^^;)。

 問題は経済性でしょう。 バイオマス発電は数千万円の資金が必要なので、とても手を出せませんが、「菜の花 →国産菜種油の利用→(BDF)バイオディーゼル利用」は休耕田を利用し、菜の花 の刈り入れなどと環境教育を組み合わせる(=労務費を安くする)方法によって少し の元手でも可能かもしれません。

  ただ、どうしても菜種油は高くなるので、消費者サイドのグリーン購入の意識も、育 てる方の「安くいい商品をつくる」努力も必要です。そして、廃油をバイオディ−ゼ ルとして利用することを考えると、軽油引取税の非課税化も必要です(ぜひとも必要 です!)。

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 いま、再生可能エネルギーの中でペイできそうなのは風力発電くらいです。経済産業 省は再生可能エネルギー(国の場合、「新エネルギー」といいます)の利用促進政策 をとって、電力会社に一定量の買い取りを義務づける「新エネルギー利用特別措置 法」を施行(2003年4月)してまで、利用を促しています。

  ところがこの「新エネルギー利用特別措置法」というのは環境関連の法律の例にもれ ず、ザル法なのです。制定時に「あそこがおかしい、このままでは利用促進にならない」と大騒ぎしていたのに、結局市民レベルの声は法律をつくる官僚(立法府の住民 ・政治家ではありません)には届かないのでしょうかねぇ。

  最悪の場合、新エネルギーの促進ではなく、一番安価なゴミ発電を促すのではと懸念 されていました。次いで悪い予想として、新エネルギーの中で比較的安価な電源ばか り促進してしまうのでは、という懸念でした。 現状は電力会社が風力の募集枠を絞っていることから、一番経済性のある風力を促す法律にすらなっていません

 ゴミ発電は基本的に除外されていますが、植物性廃棄物 や木くずなどのバイオマス発電は認められることになっています。ところが、バイオ マスは「広く、薄く存在」するため、自治体で集めたゴミを焼却して、熱利用するよ うに簡単ではありません。

  こんな簡単な単純なことはわかりきっていたことで、新エネルギーなどとして「ひと くくり」にして何でもいいから「新エネルギー促進」なんて可能なはずはない。

 せめて「長期エネルギー需給見通し」レベルの再生可能エネルギーを促そうとホンキ で考えているなら、再生可能エネルギーごとに需給目標を決めて、義務量を割り当てるべきです。そして、それを電力自由化政策のなかでやろうというのですから、既存 の電力会社にだけ負担を押しつけるのではなく、全ての発電事業者や消費者が負担を 分かち合う方法でなければなりません。

  具体的には電気料金のうちこれらの公益目的の費用は別会計にして、送電料金に含め るなどの工夫が必要でしょう。 北欧のスウェーデンなどでバイオマスが普及しているのはバイオマスの方が化石燃料 より安いからです。

 政府が中東からの原油輸入に頼らずに、ドラスティックに国産エ ネルギーの普及をめざすなら、方法としては税金の固まりとなっているこれら燃料の 税込み価格を見直すしかありません。

  小手先の1兆円程度の炭素税を導入し、ガソリン代を2,3円上げる程度の方法で可 能になるはずはありません。特定財源などの行財政改革までしないと、「エネルギー の自給」はおぼつかないと思います。

  人間は必要にならないとやらないものです(凡人のワタシが長年かかってたどり着いた個人的真実(^。^))

 本当に原油が高すぎて買えないくらい逼 迫して、温暖化がかなりの程度まで進まないことには「腰を上げない」ものかもしれ ませんが、遅すぎますよね。 とりあえず、自分にできることとして菜の花プロジェクトをすすめたいと思っています。

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