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No.40 NPO法人の収益事業その2 〜公益法人制度改革の行方〜 2004・4・23
<ほとんど関係ないけど「哲学の道」です。西田幾多郎でもめざそうかぁ>
ヘンないきさつで近頃、「NPOの友」となりつつあります(^。^) NPOについて調べ始めるまで、公益法人制度についてはほとんど知りませんでした。
ずっと以前に宗教法人の申告書を作ったとき、「宗教法人は税務上、なんと優遇され ているんだろう!」と純粋に驚いた程度の知識でした^^; 宗教法人も「公益法人等」という分類に入ります。
じゃ、どうして宗教法人が公益法 人なのでしょう?宗教法人に公益性があるから優遇されているのでしょうか?そもそ も「公益性」って何だろう?・・・というのが最近の個人的な関心事です。
「公益性とはなにか」についていろんな議論・学説があるようですが、簡単にいうと 「不特定かつ多数の者の利益」(受益者説;通説)が公益ということになります。ですが、あまりに抽象的な表現です。
たとえば、特定の人の為の寄付−難病者のための 募金活動−だと含まれないことになってしまいます。一方で、営利法人だって営利行 為の受益者も不特定かつ多数の者となってしまいます。
これを宗教法人について当てはめて考えてみると、果たして宗教法人に公益性はあるのでしょうか?宗教法人に優遇税制が認められているのは江戸時代とかそれ以前から (「たたり」をおそれてか否か不明ですが)神社・仏閣から税金を取るなんて不遜な という意識があったのかもしれません。
お葬式を取り仕切ってくれるお坊さんは世俗 の利益から離脱した人格者という意識があったのかもしれません。
そもそも、公益法人というのは民法34条の規定によって設立された法人のことです。 そして、公益法人制度は民法34条で「祭祀・宗教・慈善・学術・技芸その他公益に 関する社団または財団にして営利を目的とせざるものは主務官庁の許可を得てこれを 法人と為すことを得」と定めていることから、宗教法人を含めておよそ公益法人にふ さわしくない法人まで公益法人にされているという問題があります。
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つい先日、2004年3月31日に内閣府「公益法人制度改革に関する有識者会議」から中間整理が出されました。 http://www.kohokyo.or.jp/non-profit/seidokaikaku/seifu/chukan-seiri040331.pdf
明治時代に作られた民法34条の規定によって、上記の目的の社団または財団は主務官庁の許可を得てこれを法人となすことができます。つまり、公益法人を設立するに は主務官庁の許可を要件とする(許可主義)と、設立のハードルを高くしている一方で、 税制上の特典を与えるなどの「アメとムチ」作戦を用いていますが、なんといっても 100年前の制度。
公益性の判断とか、阪神大震災等を契機として民間非営利活動が増えていること、政府や営利法人ではできない民間非営利部門へのニーズが高まっていることなど、機動 的な対応ができない→「そろそろ、100年前の制度を変えようや」というのが公益法人制度の抜本的改革につながっています。
現在、勧められている公益法人改革は民法34条の改正を含みます(平成16年度末 までに基本的枠組みの具体化、平成17年度末までに法制上の措置)。
方向性としては、現行の公益法人制度は廃止します。 そして、非営利法人制度を創設するようです。
この非営利法人制度では主務官庁をなくして準則主義(会社設立のように要件さえ整えばいい)によって設立ができるようにします。そして、これらの法人の中で公益性 を有する場合には第三者機関等による認定で優遇措置を講ずるというやり方です。
当初はNPO法人や中間法人を含まないが、これら公益法人等の枠組みを取り払って 非営利法人のシステムを作った後は、原則課税となるようです。 現在は公益法人等が収益事業を行い、これらの収益事業が法人税法施行令5条に列挙 される33種の事業に該当する場合だけ課税対象となっています。
寄付金や会費には 課税されていませんが、改革案では原則課税となるので、会費収入も寄付金も課税さ れてしまいます。 NPO法人だけ例外扱いというわけにはいかない(なんといってもNPO法人も公益法 人等の類型に含まれるのです)だけに、抜本改革をしっかり見守って、できれば、し っかりとNPOとしての意見も言っておく必要がありそうです。(上記の中間整理で は広く意見を募集中です!!)