エネルギー政策と京都議定書
No.10 ヨハネスブルクサミット−今後の展望−
京都議定書は2002年8月から南アフリカのヨハネスブルクで開催予定のリオ・プラス10持続可能な開発に関する世界首脳会議で発効予定です。これを契機に温暖化ガス排出削減行動が本格的に始まります。
日本政府は今国会で議定書を批准(批准するのは国会の役目です←少しばかりの憲法の知識)、国内法整備に向かいます。現在、小泉首相を本部長とする地球温暖化対策推進本部があって基本方針が決められました(2002年2月13日)。対策を段階的に導入する(中央環境審議会の答申を受けているのでしょう)など、産業界に与える影響に配慮した内容です。
第1期の2002年から2004年は新たな規制は導入せず、産業界の自主的な排出削減を続けます。景気低迷が続いているので経済界に配慮して(あるいは求められて?)いるのでしょうが、排出量は増加傾向が続いています。運輸部門と民生部門からのCO2排出量の増加が著しいのですから、性善説を信じて全ての業界が自主規制を守ったとしても増加傾向に歯止めがかかるわけがありません。
2004年に再検討だそうですが、それまでに減少傾向になることはないでしょう(GDPがよほど落ちると可能かもしれません)。となると、対策をたてるのが一層遅くなるのですから、産業界も消費者も一層大きな負担を求められることになります。環境問題は不可逆的を実証するような政策です。
私が個人的にこだわりたい炭素税は企業だけに負担を求めるものではないはずです。負担の大きい企業は軽減措置がとれるはずですし、税負担は最終消費者が負うはず。エネルギー関連諸税だけで5兆円を上回るのだからどうにでも改正できると思うのですが、どうして実現できないのでしょう??