エネルギー政策と京都議定書

No.9  中央環境審議会答申2002124

 環境大臣の諮問機関、中央環境審議会が「京都議定書の締結に向けた国内制度の在り方に関する答申」を出しました。詳細はhttp://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=3104  にあります。

 ロッキーマウンテン研究所は悲劇的な日本政府の環境政策とその失速を批判しています。経済産業省はともかく環境保全を第一に考えるべき環境省はもっと積極的な政策を打ち出すのかと思いきや「少なくとも今後3年間、厳しい排出削減規制を産業界に課さない」と決断したのですから。

 答申は24頁にわたっていますが、これまでの経緯に3分の1を使い、「京都議定書の目標達成計画」も抽象的な当たり障りのないことしか書いていない。官僚の作文だと思いました。審議会の委員のお一人の経済界の偉い方が「一定の評価をしたい」といってるのは要するに審議会は自分(業界の?)意見を一度くらい言ってあとの事務処理は官僚任せってことですね。「何もしません」という内容のこの程度の答申なら私だって書ける(ただし、有力者からの口出しに抵抗できるかどうかは自信がないので同じ穴のむじなかな?)。

 「温暖化対策税は、経済・雇用への影響も勘案しつつ、引き続き検討を進めていくことが適当である。国内排出量取引制度は、海外の動向等も踏まえつつ、必要に応じ、国内の排出量取引制度の多面的な検討を行う」というのが経済的手法等についての論評。

 環境省も圧力団体に屈したのでしょうか。この答申をもとに3月には大綱にかわる「京都議定書目標達成計画」をまとめる予定だそうです。期待はできません。

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