エネルギー政策と京都議定書

No.13 ヨハネスブルク・サミットの成果〜理念から行動へ〜 2002・9・4  

 ヨハネスブルク環境開発サミットが閉幕しました。10年前のリオ会議では、今ほど環境への関心も認識もなくて、当時の宮沢首相がビデオ参加のみして、ひんしゅくをかっていたのが思い出されます。今回は小泉首相も大木環境大臣も川口外務大臣も出席しましたが低調でした。

新聞の論調もおおむね否定的です。10年前のリオ宣言では共通だが差違ある責任という新しい概念や原則を作りました。1997年の京都会議のときは削減目標が数字で示されるなど具体的な目標が示されました。しかし、今回出された政治宣言(ヨハネスブルク宣言)は合意できる最低線を示しているだけの地味なものです。

<政治宣言の骨子>
*地域、国家、地球レベルで環境保全、社会、経済発展を前進させ強化するうえで共通の責任を認識。
*貧富の格差を埋めるための、持続可能な開発計画を実現することを約束。
*きれいな水や衛生、エネルギー、健康、生物多様性などを保護。
*ODAに関する国際目標を早急に達成するために努力。
*持続可能な開発の実現に向け、より民主的な国際機関、多国間機関の機能強化が必要。
*サミットの成果である実施計画の進捗状況を定期的に点検。

EUは再生可能エネルギーの目標値を入れることに全力をあげました。でも日米が反対して数字は盛り込まれませんでした。日本の立場としては当然でしょう。日本で環境対策というのは原子力推進ですから。

 85%以上の学者さんは「地球はこれから60〜70年しか続かない」と答えるそうです。文明が発達しすぎると危うくなる。地球はまだまだ何十億年も続くでしょうが、あまりに発達しすぎた文明をもつ人間がいなくなってしまうんですね。ゴキブリでいっぱいの地球になってしまっては大変です。実効性のある政策は責任のある先進国、そして環境問題は特に日本初となるように、率先してやるべきでしょう。

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