エネルギー政策と京都議定書

No.3  京都メカニズム

 京都メカニズムとは、附属書T締約国間の排出量取引共同実施(Joint Implement;JI)、附属書T締約国と非附属書T締約国間のクリーン開発メカニズム(CDM)の3つをいいます。排出量取引は削減義務を負う国の間で排出削減量を購入したり売ったりすることです。つまりCO2が商売になることです。これとは別に国内や域内での排出量取引もイギリスやEUで実施されようとしています。

 先進国間の「共同実施」、途上国との「クリーン開発メカニズム」は、具体的に温室効果ガスの排出削減につながるようなプロジェクト活動を行うことによって得られる排出削減クレジットの国際的な移転・取得を認めるものです。

 京都会議では最終日に大急ぎで議定書の内容に織り込まれたので、その具体的運用ルールがきまったのは4年後のCOP7マラケシュ会議においてでした。

 

 排出量取引、共同実施、クリーン開発メカニズムなどの柔軟措置は、国内対策の補完的なものとなっています。マラケシュ会議では、排出量取引は排出枠の90%を売らずに残しておく必要がある。先進国は海外の原子力施設建設の結果として発生した削減分を、削減目標達成のために使うことを控える、ことで合意されました。日本が主張した森林の吸収分をカウントすることが認められたので環境省はホッと一息でしょうか。

 そして、京都メカニズムによる国外からの調達分、国内での削減政策は下図のような位置づけになっています。

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