エネルギー政策と京都議定書

No.7  ヨーロッパのエネルギー政策−EU指令−

 イギリスのブレア首相の採る第三の道は市場主義でもない、社会主義的でもない、市場のよいところは取り入れるが社会的弱者は保護する政策です。この政策のメリットは政策立案過程に市民の参加を認め、民主的議論ができることだそうです。これがEUをつらぬく政策でドイツもフランスも同様です。そして、これが米欧の対立する点です。環境保全とエネルギー問題を両立させるのがEUの政策でEU指令として再生可能エネルギー倍増政策を出しています。

 温暖化対策は総合政策で、自主的取組・経済的手法・規制的措置のポリシーミックスが必要だとよくいわれます。これに取り組んでいるのがEUです。表に示す通りです。

 

再生可能エネルギー源の利用促進

 国内排出権  取引

課税措置

産業部門と政府の協定

オランダ

      

  

    

ドイツ

      

  

    

イギリス

      

 20024月開始

  

    

デンマーク

      

    

  

    

            欧州諸国の主な温暖化対策

 EUと一口にいってもフランスは原発大国ですし、スウェーデンは原子力廃止を国民投票で決定しましたが、実現可能性は不透明。ただし、努力はしている。フィンランドは新規原発の立地をしている。唯一、ドイツではフェーズアウト政策を織り込んだ原子力法改正200221日に承認したので、20年後にはホントに全廃されるかもしれません。

 「環境に優しい脱化石燃料政策は、脱原発か再生可能エネルギー促進か」で交わることのない激論が交わされているのですが、脱化石燃料政策のうちコンセンサスのとれる政策を可能な限りまずやってみることでしょう。経済政策でも何でも、川を渡る前に空しい議論ばかり続けて、日本は数周遅れって感じがします。

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