電力自由化政策

No.14 東電5人組、そろって辞任

  8月末以来、東電の原発ヒビ割れの事故隠しが話題になっています。東電ショックという連載記事も出ています。歴代社長さん3人、現職社長さん1人、その他1人。その他ひとり以外は全て名前を知っていましたから東電の影響力というのは多大です。同じ大手でも関電となると、現職社長の名前すら一般人は知りませんから・・・。

  雪印、日ハムに続いて公益企業の代表のような東電の不祥事なので、「東電よ、お前もか!!」という印象です。生命の根元である食べ物はもちろん大切ですが、賛否両論うずまく原発。「官が推進、民(たぶん過半数)が反対、でも電力会社は忠実なしもべとして国策を実行」という原子力政策ですからその影響は日ハムの養子社長の降格どころではありません。

  素人考えではありますが、これによって電力自由化と原子力推進は決定的な影響を受けると思います。どういう影響かというと原子力推進が決定的に困難になると思います。

 「環境と競争の両立できるような電力自由化政策」と聞くと、当然再生可能エネルギー推進かと思いますが、これは電力会社側では、イコール、原子力推進策です。「ニューリーダー」(はあと出版梶jという雑誌に「「安定供給」と「環境対策」は本当に不安ないのか」という記事がありました。価格的に競争がむつかしい再生可能エネルギーと自由化の両立策かと思いきや、見事に原子力推進が論点でした。

 原子力推進と電力市場完全自由化は両立しません。既存の原発はともかく、新規立地はどのような原子力推進のための施策を作っても、どれほど「CO2削減に効果的と」テレビコマーシャルを流しても、もはや無理でしょう。

 推進派の方々は「原発が新規立地されないと京都議定書は遵守できません」と言われます。温暖化大綱も原子力の3割増加を根底に数字合わせがされたものです。かといって「(政府のいうところの)新エネルギーは代替エネルギーになりえない」というのも間違いだと思います。効果的な推進策はなにひとつ採っていませんから。

 東電の南社長は今年の4月に電力全面自由化を受け入れました。その代わり、電力会社の分社化、垂直統合の維持は堅持するというスタンスでした。

 自由化を進めながら電力の安定供給を確保するという二律背反にテーマのポイントは原子力推進策でした。でも民間に任せるだけでは無理なので原発立地には税金をつぎこんでいました。

  これらトリレンマのブレークスルーを担うのは燃料電池でしょう。天然ガスと再生可能エネルギーがキーワードになると思います。

<< 前へ ==== 次へ >>

「電力自由化政策」の目次へ戻る