電力自由化政策
No.2 公益事業における競争政策
日本の夏はむし暑い。温暖化とヒートアイランド現象で年々暑くなっています。エアコンなしでは過ごせません。毎年甲子園のテレビ中継がある時期に最大電力量を更新なんてニュースが流れます。一方で春や秋は過ごしやすいので電力使用量は少ないです。この夏場の数日のピーク時にあわせて発電所を作る必要があるのでコスト高になってしまいます。ここを何とかしなくっちゃというのが急務です。
日本の電力会社は電気事業法という業法にしばられていますが、各電力会社は国営でも公営でもなく民間の株式会社です。証券取引法や商法に支配されるふつうの会社です。戦後の日本の電気事業の特徴は政府のエネルギー政策を民間電力会社に実行させてきた体制にあります。要するに旧通産省がいろいろと口をはさんできたってことです。
経済学でいう電力の規制緩和は「最適資源分配の理論フレーム」といって、要するに「規制緩和→競争促進→価格低下→消費者の利益」という大枠です。でも誰が考えても「安い電気」にしようと思ったら化石燃料を使います。原油はミネラルウォーターより安いのです。でも原油の大半は政情不安な中東から輸入されます。そして、最大の弊害は、CO2排出源であることです。これからの電気事業は競争は促されるし、電気料金は下げろと迫られるし、化石燃料は使うな、原子力は危ないから増やすなと三重苦のような状態です。
「規制は緩和するが、公益性を損なわない新たなルールでの自由な競争をめざすべき」であり、かつ、「環境保全に寄与すべき」とウルトラCの政策が求められています。いくら安くても化石燃料にばかり頼るべきではない→原子力と再生可能エネルギーをどうするか
公益事業ですからルールなしの競争=無法地帯というわけにはいきません。官による規制・指導から民主導へとともに、集中から分散へを考慮する必要があります。家庭用の燃料電池や再生可能エネルギーも価格面さえクリアーできれば普及が進みます。この二つの座標軸を考慮した自由化にすべきでしょう。