分散型エネルギー普及策
No.13 四国にもウィンド・ヒルができました! 2003・10・15
日本中の風力発電はもう500基くらいは建設されているのでしょうか?大規模なウィンド・ファームは東北・北海道の東日本の偏在していますが、四国にも11基を擁するウィンド・ヒルができました。
愛媛県にある瀬戸町という過疎の町です。私の出身地に近い、よく知っている町がこんな風車の町に変身しているなんて、感無量です(^。^)
瀬戸町は四国の最西端・佐田岬半島(四国から九州・大分に突き出ている細長い半島)の中央部に位置する町です。現在の人口は2711人、65歳以上が40%ですから、極端な過疎と高齢化が進んでいる町です。
高校生の頃、瀬戸町の友人の家までバスに乗ってはるばる泊まり込みで遊びにいったことがあります。目の前に広がる瀬戸内海がきれいでした。当時から分校が閉鎖されるような過疎の、貧しい町でしたが、人口が2000人台まで減ってしまっているとは改めて驚きました。
佐田岬半島は「岬13里」と呼ばれている細長い半島です。いまは道路も整備されて便利になりましたが、昔は山とリアス式海岸に挟まれた細いくねくねとした道をバスがやっと走っているところでした。「岬めぐり」という三浦半島を歌った曲が70年代にヒットしましたが、実は佐田岬半島を歌っているのじゃないかと思うくらい、ぴったりの描写でした。
細長い半島のなかでも、瀬戸町のあたりは最も狭いところです。瀬戸内海と宇和海の両方の海をみることができます。あの風が舞っていた丘にウィンドヒルが建設された〜〜〜ぜひ見に行かなくちゃと思っています。
11基の発電施設一帯の名称は公募で「せと風の丘パーク」と名付けられたそうです。 年間発電量見込みは約2900万キロワット時。全て四国電力に3億3000万円で売電されます。 瀬戸町のHPから風車の様子を見ることができます。
http://www.town.seto.ehime.jp/
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瀬戸町でもう一つ有名なのは「北極点から愛媛県・瀬戸町まで歩きたい〜リーチング・ホーム」という冒険の途中で帰らぬ人となった河野兵市さんの出身地ということです。http://www.reachinghome.org/
以下が「北極圏はブルースカイ」という本の帯です。
北極海に死す。
冒険家・河野兵市さんを悼む
日本人初の北極点単独徒歩到達の偉業を成し遂げた男が、
極点から佐田岬半島(愛媛)まで、
徒歩とシーカヤックで帰る 6年がかりの冒険の旅「リーチングホーム」の途上、帰らぬ人となった。
だが、彼の魂は今もきっと歩き続けている。生まれ故郷をめざして・・・・・。
魂という表現は好きではありませんが、きっとそうだろうな、と思えるほど綺麗なところです。つい2日ほど前にテレビを観ていたら、河野さんの遺児の男の子と女の子、お母さん、友人で河野さんの目指したかった道を歩いたそうです。サハリンからはじめて、10月12日に瀬戸町の到着、風の丘にたつ河野さんのモニュメントの足跡に自分の足跡を合わせていました。すがすがしい情景でした。
瀬戸町はきれいな場所ですが、風景だけでは生活できないのも現実で、柑橘類の農業(みかんの丘)と漁業しか産業がない過疎地の現実は厳しい限りです。
瀬戸町は風車で発電・町おこしという道を選びましたが、その隣町は伊方町といって四国内で唯一原発のサイトとなっている町です。
原発が立地されると各種の税金や交付金が落ちてきますので、隣町どうしでも再生可能エネルギーで町おこしを試みる瀬戸町と原発を選んだ伊方町では大違いです。財力がちがうので、合併協議会ももめているようです。
日本のエネルギー政策を改めて考えさせらような隣町どうしの様子です。 でも、でも、なにはともあれ、「風車の丘、ばんざい!」って気分です。