豊島事件と産廃問題

No.27  アースディ−未来の大人たちへ− 講演会、ワークショップと産廃処理施設の様子 2003・6・8

 6月8日(日曜日)に「アースディかがわin豊島」を開催しました。今年で7回目です。なかなか豊島の人たちが動いてくれないので、「今年で最後だ」と文句をいいつつまた今年も「終わりよければ全てよし」で来年も実施しそうです。

 なにしろチャーター代金が30万円以上するフェリーをチャーターしているにも関わらず、そして、講演会はNHK高松放送局が主催してくれているにも関わらず、人が集まらなくってどうしようかって心配していました。ところが、直前になって各報道機関が広報係になってくれたおかげかチャーター船は120人の申し込み、その他定期フェリーでの来島もあって200人以上の参加になりました。

 9時半過ぎに豊島に到着です。そしてまず、10時から交流センターで京都大学の高月紘先生の講演会「ごみ問題とエコライフ」を開催しました。

 このパワーポイントの内容はNo.21の講演会「環境問題と私たちのライフスタイル」と同じでした。でも、「意識と行動」「もっと上流へ!」「グリーン投票」「3Rから2Rへ」など、漫画とキーワードで説明されるとなかなか説得力があります。

 その後、バイオディーゼル燃料を使ったバスで産廃現場見学へと出かけました。

下が北海岸の様子。鋼矢板を地下深くうちこんで、汚水が海に流れないようにしているので、随分きれいになりました。

 

 8月からの本格搬出を控え、すでに試運転が行われています。いま現場は一面にビニールシートが敷かれています。その現場からショベルカーで産廃を掘り起こしてきます。飛灰とか有害物質が飛び交っていると思いますが、ショベルカーを運転する人たちはマスクひとつ身につけていません。

下が梱包施設作業場からみた現場の様子です。遠くの山が「とんがりやま」です(たぶん^^;)。

今回初めて、高度排水処理施設と中間保管・梱包施設作業場の中を見学させてもらいました(下の写真は現場を歩いている高月先生です)。以前、ガス化溶融炉の見学にいったことがありますが、同じようなシステムです。中央制御室があるのも同じ。焼却場から原子力発電所まで中央制御室でコントロールするシステムになっています。

 不法投棄された産廃を処理するためにこのような大規模な施設を建設し、処理するのは末期症状のような気がしました。

 作業場は外から見ると芸術作品のようなきれいな色に塗られています。中は廃棄物処理センターと同じです。一応目でみえる範囲で前処理をして、これらを隣の直島に「太陽丸」という希望の★のような専用船で運んで直接溶融炉で無害化処理します。金属などを取り出せるということですが、これらは実験工学の段階ですから「やってみないと分からない」段階です。

 水処理施設も「科学の粋」という感じです。現場の汚れた水を何度も化学処理して魚がすめるようなきれいな水へと変えていきます。

 その後、気が滅入りそうな現場から豊島の希望の☆、BDFバスに乗って公民館へ行きました。豊島の婦人会(田舎では食べ物の準備をするのは女性の役割と決まっています)の人たちが朝早くから作ってくれたおにぎりとソーメン(美味しい!)を食べた後、ワークショップ「ハイ・ムーンのマンガ教室」です。

 ハイ・ムーンというのは高月先生のペンネームです。何しろ日本漫画家協会会員のセンセーですから(ただし、マンガでは食っていけないそうな・・)。

 このワークショップは6人程度のグループに分かれてディスカッションやフリートークを重ねながら、自分たちの問題意識を一枚の絵にしていくというワークショップです。小3から中3までの子供達で2グループ。そして私たちは番外編・大人グループということで恥ずかしながら絵を仕上げました。

 大学の先生や小学校の校長先生、ハイムーン先生のワークショップに参加したいと福岡から来ている大学院生もいました。子供達の作品、大人の作品それぞれ、見応えのある作品ができました。  

 作品を仕上げた後は交流センターに戻って作品の説明とハイムーン先生の品評会。

上の写真が子供たちの作品。下が30年前の少年・少女の作品です。

個人的にステキと思ったのは高月先生がハイムーン先生に変身するときはベレー帽(手塚治虫みたいな)を身につけること。ほほ〜と感心しました。  

 かくしてとても楽しい時間を共有し、「今回で最後」といってたのが、来年もまたやろうということになった次第です。

 

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